人間環境科学領域は、主として1?2年次に開講される教養科目、専門基礎科目を担います。多様な学問分野を提供し、幅広い視野と確かな問題意識を持って課題に向きあっていける看護職人材の育成に努めます。以下に開講科目の一部を紹介します。
生老病死という人類普遍のできごとに対し、世界各地の文化?社会はどのように向き合っているのでしょうか。文化人類学では、他文化を知ることをとおして、自己の価値観やそれを支える自文化を相対化する視点を学びます。グローバル化の中、よき隣人?よき医療者であるために、一人ひとりは何ができるのか、いっしょに考えていきましょう。
社会を構成する最小単位の集団である家族を分析対象として捉え、家族における役割の発生、社会と家族との相互作用などの分析を行います。それらの分析を通して、現代社会のあり方と家族の今後について多角的に検討します。
新潟への理解を深め、地域への誇りと愛着を養います。風土の特徴、歴史の積み重ね、人々の創意工夫などの幅広い視点から学びます。地域が本来持っている特徴に磨きをかけ、地域の魅力を高めていくために何が求められるかを共に考えます。県内出身者、県外出身者の協働で講義が進みます。
「情報」と「コミュニケーション」の専門職である看護師にとって、ICTは必要不可欠なものです。「情報」と「コミュニケーション」を、いかに「看護」の実践や学問としての「看護学」にいかすのかを学びます。授業後半は統計処理の土台となる知識?操作法について学びます。
看護?医療の世界で必要とされる英語の語彙力、表現力の基礎を身につけ、積極的に英語を使用する態度を養います。最新の新聞記事や医療ドラマのスクリプトを利用し、生き生きとした口語英語にふれ、英語を読むこと、聞くこと、表現することの醍醐味を味わいます。国際情勢を学び、多様な社会、世界、人間のあり方への関心を深めます。
外来や病棟における看護師と患者間の会話を場面別に設定し、ペア、グループ単位でロールプレイを行いオーセンティックな看護英語の習得を目指します。英語で患者とのコミュニケーションを行う自分の将来像を思い描けるように指導します。
コミュニティ概念の形成過程、地域における社会紛争過程の発生などの問題を通じて、より民主的かつ多角的な民間活動のあり方について検討します。
人は、日常生活の中で、自らの健康を守り高めるために、さまざまな行動をとっています。保健?医療行動科学では、これらの身近な行動を観察することから始め、健康現象の行動的側面について探究します。健康教育や患者教育の根拠となる理論について、学習を進めていきます。
生物学的な性(sex)と社会的な性(gender)の違い、性の発達と社会化、性役割規範(男らしさ、女らしさ)、ケアとジェンダー、LGBT、社会制度の中の異性愛中心主義、性の健康?権利などのトピックをとりあげます。ジェンダーとセクシュアリティの問題が、看護医療の領域においてどのようなかたちをとって立ち現れるのかを考え、学びます。
人口動態と人口静態、出生率、死亡率、平均余命、平均寿命、健康寿命、有病率、罹患率、記述統計と推測統計の違い、度数、平均値、標準偏差、中央値などの代表値、正規母集団の標本分布の特性、確率、推定と検定の違いなどの統計学の基本的な知識の学習や演習を通し、健康に関する指標や看護研究に必要な統計学的手法についての理解を深めます。
言葉に強い信頼を置き、何事も言葉で説明づけようとする欧米型コミュニケーションと、以心伝心を尊び、言葉をむしろ使わないことに価値を認めようとする日本型コミュニケーションを比較対照し、文化背景が異なる人々への開かれた心と態度の養成を目指します。